里山料理研究家 宮澤さま
母の後ろ姿を見て育った私、食べ物が乏しかった時代、貧しい中にも創意工夫により作ってくれた母のぬくもりの味がありました。母の味を都会に住む息子たちに届けようと山に薪取りに行ったり、身近な薬草や薬木をとって保存食にしたり、田畑を耕し野菜作りに汗を流す毎日。そして母の里山料理の味をいろいろためしてわかったことは、ガスや電気、灯油でなく、火をおこし薪で煮たり、焼いたり、ひと手間掛けて作る心のゆとりの大切さがわかった。
今年はわが家に薪ストーブが入り、母の鉄びんや鉄なべで火のぬくもりを感じながら里山料理を作っています。そして、たった一度の人生、自分の育てた里山野菜だからこそ自分の言葉で伝えられる里山料理にささやかな幸せを感じ、人生の棚おろしをしています。心がなごむ薪ストーブの火のぬくもりに感謝。